会長の挨拶
中大技術士会会長退任の挨拶

金川 護(上下水道部門・総合技術監理部門)

 私は中大に技術士会の技の字も無い頃から、まさに真っ白な紙に最初の技の字を書いたものです。平成13年に白門35会幹事会で白川会長から頼まれて、私が「環境(水処理)について」と云う題で講演をしました。そこで当時中大常任理事の三宅邦彦さんから、「中大理工学部に力を貸して欲しい」と頼まれました。35会は35年卒業の学員会支部ですが、殆ど法、経、商の卒業生で理工系出身は白川会長と私あと二、三人だけでしたので、理工学部出身者として頼もしく見えたのでしょう。その1年後に35会の旅行会で再び顔を合わし、なんとなく中大の技術士会を作る話をし、中大出身の技術士は何人位居るのかが話題になり、調べることになり、中大事務局から人を出して頂き、日本技術士会で何十冊もある全会員の業務経歴書を見せて頂き、そこから中大出身者の名前を拾い出し、名簿を作りました。160名分の名簿を見た三宅さんは人数が多いのに驚き、白門技術士会を作ろうと意見が一致しました。そこで、上下水道部会の幹事会で良く知った鈴木薫さんに相談したところ、即座に賛成され、そこから白門技術士会立上げが始まりました。白門技術士会設立準備委員会を立ち上げ、平成16年6月には白門技術士会が発足しました。会長は金川、幹事長は鈴木さんでした。
 白門技術士会立上げの話が出てから12年経ち、平成26年5月31日で私は初代会長から退任し、副会長の内藤堅一さんが新会長となりました。この間幹事長は鈴木さんから林知幸さんに代わりました。創設以来の副会長は藤森公彦さんだけで他の副会長は途中交代してきました。
 平成23年に白門技術士会から中大学員会支部に昇格し、その時に名称も中大技術士会に変更しました。この10年で中大技術士会は中大理工学部や中大法曹会等の学員会支部との連携も進んできました。その内容は創立10周年記念誌に詳しく記されております。今後も理工学部の先生方と研究会を立ち上げたり、企業を呼び込んで共同研究を進めて頂きたいと思っています。また多くの学生が技術士第一次試験を受け、合格者数日本一になることを願っています。
 今後中大技術士会として、私の出来なかった3つの事をお願いしたいと思います。
 ①大学と企業の共同研究の際、契約書にアドバイザーとして中大技術士会を入れて頂く。現状は中大技術士会が介在した共同研究でも中大の規則に無いと云うことで、入れてもらえません。今後企業との共同研究は増えるので、規則を変えて頂く努力が必要です。
 ②大学の先生と共同で出した特許に中大技術士会担当者の名前を入れて頂く。中大が出す特許は大学教員と職員に限られています。兼任講師・客員研究員は大学の身内とみなされておりますが、中大技術士会会員はみなされません。共同出願人になるには少なくとも客員研究員になっている必要があります。今後中大技術士会会員が関与する特許は増えて行きます。中大技術士会会員も共同出願人として認める規則の変更をお願いします。
 ③昨年、中大理工学部の大学院生から、初めてベンチャービジネスの立ち上げが出て来ました。先生や学生がベンチャーを立ち上げると大学は活性化されます。中大理工学部をベンチャーの拠点に出来ればと思います。しかし、中大にはベンチャービジネス支援の仕組みがありません。大学、卒業生(例えば南甲クラブ)と中大技術士会が先生方と組んで支援組織を立ち上げられたら良いな。と思っております。
 私は名誉顧問となりましたが、今後も幹事会等の行事には出席します。優秀な技術士の皆さんが更に中大技術士会を盛り上げ、中央大学理工学部の名声を高めることを切に願っております。今まで、行動力抜群の幹事長、目配り気配りのきく副会長、献身的な幹事の皆様、理工学部の先生方のお蔭で10年間と云う長い間、会長を務めることが出来ました。本当にありがとうございました。

以上